ソフトウェアの品質保証・テストの専門企業で、毎年売上高1.5倍の高成長企業。2019/10/10発表の通期決算も順調だった割に、翌日の株価が低迷していており、新規獲得しました。市場の成長余地は大きく、人の採用力が高成長維持の鍵となるため、同業のバルテス・ProVisonと比較して規模・知名度に勝るSHIFTの優位は今後も継続すると考えています。
会社概要
- ソフトウェアの品質保証・テストの専門企業
- テストを主力事業にする会社では、圧倒的1位の規模を誇る
- 毎年前年比150%ぐらいの高成長企業
各種指標
PER:93.64倍
PBR:15.58倍
EPS:61.62
配当利回り:0.00%
※2019/10/5時点
業績推移
corp-research.jp
マーケット規模
- 現状で担えるソフトウェアテストの内容から、1兆円程度と見ています。
※SHIFT社によるとテスト全体のマーケット規模は5兆円とのことですが、ビジネス寄りのテストや開発者寄りのテストなど、現状ではまだまだ参入難易度の高いテストも多い
業界規模 × テストの割合 = マーケット規模
6.8兆円 × 0.15 = 1兆円
- ソフトウェアテストを主力事業とする競合は、VALTES(バルテス)、ProVision(プロビジョン)などですが、売上高は両者とも30億円程度。主要3社を合わせても、マーケット規模の数%程度で成長余地はかなり大きい。
参考

SHIFTのスキーム
ソフトウェア開発のプロセス:設計→実装→テスト→総合テスト
- これまで、ソフトウェア開発はSIerなどの開発会社が「設計」〜「総合テスト」まで一貫して担ってきた。
- このうち「テスト」は独立性・専門性が高いことから、従来より安い単価でこの工程のみをSHIFT社が担う戦略

- 基本はテストに特化した人材派遣のため、従業員数と売上高が比例する
- テストのみ受けるため委任契約が多く、開発ベンダーと異なりプロジェクトが失敗した時のリスクも低い
- 発注側にとって、発注費用を下げれる+これまで開発の一番のリスクであった品質を強化できるメリットがある
- SIerなど従来のソフトウェア開発を担ってきた会社からすると、パイを奪われている面があり、今後は既存のSIerとの競争が激しくなるリスクはある
優位性、参入障壁
- 他社と比較した時の優位性や参入障壁は低いと考えています
- 安い単価に強みがあり、テストセンターを各地に持つなど、単純作業や機械的な作業を契約社員やアルバイトが担うことで実現している
- ある程度売上規模が大きくなると大手SIerなども、同様のスキームに乗り出すことが予想されるが、参入障壁は高くない
- IT業界は人材の流動性が高く、各種ツールやノウハウも広く公開され共有されているため、独自ノウハウとはなりにくい。どれだけ優秀な人材が確保できるかがカギであり、他のテスト専門会社に比べると規模や知名度を生かせるが、大手SIerと比較するとSHIFT社の優位性は高くないと見込まれる
- また、より単価の安い中国、ベトナム、インドなどの海外勢も参入しつつあります。
- 大手SIerが同様のスキームでの参入や、より単価の安い海外会社の参入のリスクが常にあります
バルテス(VALTES)、ProVision(プロビジョン)との比較
- 各社順調に成長していますが、SHIFTと比較し、戦略やスキームに大きな違いはない
- 成長率・利益率なども劣っている
- 各社とも実態はテストに特化した人材派遣であり、マーケットの成長余地は大きく採用がボトルネックとなることから、規模・知名度による採用力を活かしSHIFTの優位は続きそう

SHIFT
売上高:195.31億円
年平均成長率(直近4年):56.1%
利益率:14.5%
PER:93.64倍
PBR:15.58倍
EPS:61.62
配当利回り:0.00%
バルテス
売上高:32.8億円
年平均成長率(直近4年):16.8%
利益率:5.7%
PER:64.47倍
PBR:23.00倍
EPS:30.50
配当利回り:0.00%
ProVision
売上高:33.5億円
年平均成長率(直近4年):18.4%
非上場
将来性&予想株価
- SIerは赤字プロジェクの発生により利益率の変動が大きいが、SHIFT社の利益率は安定している
このため、委任での契約が主であり、プロジェクト失敗による経営悪化リスクは少ないと見られる
- 基本は人の数に応じて売上が増えるため、安定して人を増やせることが重要
- 売上高が圧倒的1位の知名度メリットを活かせ、マーケットの成長余地も大きいため、数年は順調に推移すると予想
- 150%成長が続けば2年後に10,000円程度の株価を期待しています
見込まれるリスク
- 参入障壁は低いため、ある程度の規模になるとSIerやコンサルなどが同様のスキームで単価を下げて参入し、競争が激しくなることも予想される
- 毎年前年比150%で拡大しており、組織が急拡大について行けなくなる可能性がある
(役員や従業員による不祥事も多い)
- 現状かなり割高な株価となっているため、何か問題が発生した場合、株価が1/10程度になるリスクもある
購入するかどうか
- 手間いらずと似た業種であり、持ち株がかなり偏るため、ITバブル崩壊のようなことが起こった場合の影響が大きくなる
- リスクも高いが、すぐに大手SIerやコンサルが参入する規模でもなく、数年は順調に成長すると見込まれる
- 10/10の決算も変わらず順調の割に株価が低迷していたため、購入しました。